「施設が被災した際に、同じグループの施設や連携施設など、受け入れ先となる施設があるかも重要です。要介護者が避難所で暮らしたり、家族が自宅に連れて帰ったりすると、十分な介護サービスを受けられない恐れがあります」(高室氏)
冒頭の川越市の施設で入所者が全員避難できたのは、「2階建て」「職員の増員」「定期的な訓練」がポイントだった。
「日本総合研究所の報告書(2016年)によると、全国の特養の24.6%が平屋建てでした。たとえ避難計画を作成していても、浸水想定区域にある平屋建て施設には、水害のリスクが残ります。
また台風や豪雨などの緊急時の人員配置や、職員の年齢構成、避難訓練の実施頻度も要確認です。20~30代の体力のある若い職員が多く、年1回以上の訓練を行なっている施設が理想です」
※週刊ポスト2019年11月1日号