本来は神戸入りして幹部への挨拶、来客対応、放免祝いなどが予定されていたが、もはや神戸でも名古屋でも、大がかりな集会を行なう場所は警察によって封鎖されてしまった。マスコミが興味本位に取り上げるハロウィンでの無料菓子配布も、中止せざるを得ない。
ヤクザは命の価値を数値化し、“血のバランスシート”という計算式を使って殺戮ポイントを競い合う。組員1人を銃撃され、同クラスの2人を死亡させたのだから、弘道会は倍返しをしたことになろう。が、警察は暴力団弾圧の大義名分を手にした。山口組の司令塔である高山若頭は、はたして、血塗られた出所祝いを喜んでいるだろうか。
※週刊ポスト2019年11月1日号