国際情報

身分証の顔写真が美しすぎて偽造がバレた中国人妻の顛末

中国では至る所に監視カメラが設置されている(EPA=時事)

 夫婦喧嘩は犬も食わない、という。が、揉め事はやはり避けるに越したことはない。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 2億台とも言われる監視カメラ。顔認証との組み合わせて国民の暮らしはすべて監視されている──。もはや日本でも当たり前のように言われる中国社会の特徴の一つだ。だが、やっぱり相変わらずだな、と感心されられるニュースが届いた。

 10月17日付『人民日報』の記事、〈女の身分証の顔写真が美しすぎる! 警察官がちょっと調べたら発覚……〉である。

 10月10日、広東省佛山市の商店街で一組の夫婦が激しく言い争いをしているとの通報が南海公安分局に入った。同局指揮センターは直ちに平洲派出所に命じ、警察官を現場に向かわせた。警官の名は曹氏であった。夫婦の争いは、生活上の些細なトラブルだったが、曹警官は二人に身分証の提示を求めた。二人は素直に従ったが、妻の出した身分証の写真を見た瞬間、曹警官は違和感を感じたという。

 身分証の写真が、あまりにも美しかったのである。さらによく見ると耳の露出もない。また身分証の透かし印もないのだ。

 こうなれば問題が明らかになるのに多くの時間は要しない。まもなく、女がネットを通じてニセの身分証を手に入れていたことが発覚した。値段は、わずか300元(約4500円)だった。

 女がニセ身分証を買った動機は、クレジットカードの支払いが滞ったことで、2019年8月から生活上の制限を受けていたためだという。そんな危うい立場でありながら、繁華街で、通報されてしまうほどの激しい夫婦喧嘩をするとは……。中国でデジタル化が進んでも、変わらないものは変わらないのかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
皇室に関する悪質なショート動画が拡散 悠仁さまについての陰謀論、佳子さまのAI生成動画…相次ぐデマ投稿 宮内庁は新たな広報室長を起用し、毅然とした対応へ
女性セブン
定年後はどうする?(写真は番組ホームページより)
「マスメディアの“本音”が集約されているよね」フィフィ氏、玉川徹氏の「SNSのショート動画を見て投票している」発言に“違和感”【参院選を終えて】
NEWSポストセブン
スカウトは学校教員の“業務”に(時事通信フォト)
《“勧誘”は“業務”》高校野球の最新潮流「スカウト担当教員」という仕事 授業を受け持ちつつ“逸材”を求めて全国を奔走
週刊ポスト
「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
2人は互いの楽曲や演技に刺激をもらっている
羽生結弦、Mrs. GREEN APPLE大森元貴との深い共鳴 絶対王者に刺さった“孤独に寄り添う歌詞” 互いに楽曲や演技で刺激を受け合う関係に
女性セブン
「情報商材ビジネス」のNGフレーズとは…(elutas/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」は“訴えれば勝てる可能性が高い”と思った》 「情報商材ビジネス」のNGフレーズは「絶対成功する」「3日で誰でもできる」
NEWSポストセブン
入団テストを経て巨人と支配下選手契約を結んだ乙坂智
元DeNA・乙坂智“マルチお持ち帰り”報道から4年…巨人入りまでの厳しい“武者修行”、「収入は命に直結する」と目の前の1試合を命がけで戦ったベネズエラ時代
週刊ポスト
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン