しかし、その生活は1年しか続かない。長男がどうしても東京になじむことができず、「福岡に帰りたい」と泣きながら訴えたのだ。

「小学校だけでも東京で卒業することを提案したけど、息子の気持ちは変わらなかった。くらたまとも話し合って、5年生になるタイミングの春に福岡へ帰しました。それからは一度も会っていません」

 義息との1年間の暮らしで、ステップファミリーの間には子供の「逃げ場」となる場所を持っておく重要性を学んだという。継親と継子が必ず同居することが、家族の正解ではない。

「一緒に住むか離れるかは子供に決めさせるべき。結婚するのはいいけど、子供が新しい環境で継親と住むのを嫌がった時、預かってくれる祖父母もいないなら施設へ行くことになる。そこまで覚悟しないと」

 福岡の義息とは、数年に一度、電話で話す程度。そのたび、「相変わらず、ダメだな」と叱咤激励しているという。

 ステップファミリーを支援する日本で唯一のNPO法人「M-STEP」の副理事長・平田えりさんも、「親子像」に縛られないことが、うまくいくコツだと語る。

「継父は“お父さん”ではなく、“ママの新しいパートナー”という方が、子供にとっては受け入れやすい。たとえ“お父さん”にはなれなくても、お母さんが倒れた時に子供をひとりぼっちにさせなくて済むなど、継父がいるだけで助けになることはあります」(平田さん)

 当事者たちの話からも垣間見えたが、継父と継子の関係以前に、夫婦が互いを尊敬し合い、信頼関係のある家庭はうまくいくと平田さんは言う。子供が両親を見て育つことは、実の親子でも、ステップファミリーでも変わらない。

 パートナーである“夫婦”が対等である努力を怠らなければ、“血のつながり”など必要ないのかもしれない。

※女性セブン2019年11月7・14日号

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