ビジネス

ゼロ円不動産 定期借家のシェアハウスとして活用も

ゼロ円物件は取得しても活用しなければただの「負動産」

ゼロ円物件は取得しても活用しなければただの「負動産」

 近年、空き家問題や相続問題などに悩む人たちが、所有する土地や不動産をタダ同然で売りに出す「ゼロ円不動産」が注目されている。だが、いくらタダ同然だからと所有しても、上手に活用できなければ後々大きな後悔をすることになる。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、ゼロ円不動産の賢い活用法についてレポートする。

 * * *
 都会に住んでいる人の多くは気づいていないが、日本国内の多くの不動産が資産価値を喪失している。つまり、「タダであげる」といっても、貰ってくれる人さえ見つからないのだ。

 中には「維持費の3年分を払っていただければ、所有権をお引き取りします」というビジネスまで登場している。不動産が著しく廃棄費用の高い“粗大ゴミ”と化しているのだ。

 ネットを見ると「0円不動産」、「無料譲渡不動産」を扱うサイトがすぐに見つかる。そういうサイトに登録されている不動産は、所有者が「何としても手放したい」という意欲を持っているケースだから、まだマシだ。

『老いる家 崩れる街』(野澤千絵著、講談社現代新書)によると、日本全国で九州の面積に相当する土地の所有者が分からないそうだ。そのほとんどは、相続すべき人間がきちんと登記をしてこなかったのだろう。そういう所有者が無気力化している不動産も含めれば、タダ同然の不動産は恐ろしいばかりに増えている。

 私のところに寄せられる相談でも、「実家の住居とその周りに畑や田んぼがあるのですが、どうしたらいいでしょうか?」といった内容が多くなった。

 そういった場合、どこにも適用できるような解決の妙策はない。仮に、いくらかでも値が付くのであればすぐに売るべきである。値が付かなくても、タダでもらってくれる人がいれば、惜しみなくあげてしまうことだ。

 タダでも処分できなければ、甘んじて保有し続けるしかないのだが、何らかの活用法がないかを考えてみる手はあるだろう。工夫の仕方はいろいろある。詳しくは後ほど述べよう。

 ゼロ円不動産を見ていると、「タダなら」といって安易に自分のものにしてしまう方もいる。「別荘にする」とか、「仕事場にする」など目的をもった使い方ができるのなら、とりあえずはOKだ。「釣りをする時の拠点にする」とか、「サーフィンに来た時の休息場所に」というのも、いいかももしれない。

 しかし、ここで注意して欲しいのは、そういう使い方をしなくなった時。あるいはできなくなった時はどうなるのかということだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
保護者責任遺棄の疑いで北島遥生容疑者(23)と内縁の妻・エリカ容疑者(22)ら夫妻が逮捕された(Instagramより)
《市営住宅で0歳児らを7時間置き去り》「『お前のせいだろ!』と男の人の怒号が…」“首タトゥー男”北島遥生容疑者と妻・エリカ容疑者が住んでいた“恐怖の部屋”、住民が通報
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
学業との両立も重んじている秋篠宮家の長男・悠仁さま(学生提供)
「おすすめは美しい羽のリュウキュウハグロトンボです」悠仁さま、筑波大学学園祭で目撃された「ポストカード手売り姿」
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン