生のイカや魚に寄生し、猛烈な腹痛や吐き気などを引き起こす食中毒の原因である「アニサキス」に細心の注意を払っている人も多いだろう。だが、アニサキスを除去しても、「アニサキスアレルギー」になってしまうことがあるという。銀座上符メディカルクリニック院長の上符正志さんはこう語る。
「アニサキスがすんでいた魚には、『アニサキス抗原』が残っていることがあるからです。食べると蕁麻疹が出たり、呼吸困難などの重い症状に発展する恐れもあります」
アニサキスは70℃以上での加熱や、マイナス20℃で24時間以上冷凍することで死滅するといわれている。しかし、「アニサキス抗原」は加熱や冷凍を行っても残ってしまう。
「以前はごく少数でしたが、アニサキスにアレルギー反応を示す患者さんが、この数年で増えています。私たちの免疫がアニサキスに敏感になっているということでしょう。過去にアニサキスで食中毒を起こした人、アニサキス抗原をすでに体内に取り入れた可能性がある人は要注意です」(上符さん)
青魚のアレルギーだと思って検査したら、アニサキスアレルギーだったというケースもある。その場合は、アニサキスが寄生しないよう管理されている養殖魚を食べるなどの対処が必要となる。
※女性セブン2019年11月21日号