──同業他社とは違う、あいおいニッセイ同和損保らしさはどんな点にある?
金杉:当社は行動指針として「地域密着」を掲げ、常に地域社会とのつながりを大切にしてきました。少子高齢化対策・観光や障がい者スポーツ支援を行なうとともに、260を超える地方公共団体と連携協定を結んでいます。
たとえば当社では県立広島大学と共同で「避難保険」の商品化に向けて調査を開始しました。災害が迫り、自治体からの避難勧告が発令されてもすぐに避難できない方はたくさんおられます。そうした方のご自宅に迎えに行く、安全で快適な場所に避難してもらう、そういった一連の費用を保険で賄うというサービスを想定しています。
この「避難保険」のアイディアも、地域の自治体や学術機関と強い結びつきがあるからこそ生まれた発想です。
当社は、大手損保の中でも、リテール(個人向け)に注力している。お客様の目線と近い商品開発とビジネスを大事にしていきたいと考えています。
【PROFILE】かなすぎ・やすぞう/1956年、東京都出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、1979年に大東京火災海上保険入社。あいおい損保執行役員を経て2010年にあいおいニッセイ同和損保執行役員。その後、同社取締役常務執行役員、取締役専務執行役員などをへて2016年4月より現職。
●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。
※週刊ポスト2019年11月22日号