──しかし、クルマも免許も持たない若い世代が増えており、団塊世代が後期高齢者になれば免許の自主返納も増える。自動車保険市場の縮小は避けられないのでは?
金杉:現在、国内の乗用車保有台数は約6000万台で、2035年にはそこから900万台減るという試算もあります。少子高齢化の中でカーシェアリングなどが進めば、古いスタイルの自動車保険の加入者も減っていくでしょう。
ただし、カーシェアリングや自動運転が増えれば、これまでとは違ったビジネスも拡大します。
たとえば20年後、Maas(※注)は約6兆円の市場規模になるという統計データがありますが、これは現在の百貨店業界の市場規模と同じです。そのくらい大きなマーケットが新たに生まれることになる。
【※注/「モビリティ・アズ・ア・サービス」の略。情報通信技術を活用し、マイカー以外の全ての交通手段による移動をシームレスに提供するサービスのこと】
そうなれば新しい保険ニーズは必ず出てくる。便利で高度な社会になればなるほど付随するリスクも巨大化していくので、むしろ我々にとってビジネスチャンスは増えていくでしょう。
また、高齢社会で生じる諸問題にもしっかり対応していくことが必要です。たとえば高齢者の深夜徘徊、それにより電車を止めてしまった場合の損害を補償する保険も、自動車保険や火災保険の特約として付帯し、特約保険料も安価でご提供しています。このような賠償保険のニーズは今後ますます高まっていくと思います。