ライフ

「ツレうつ」作者の実感、うつの夫と一緒に落ち込まないこと

“ツレうつ”原作者が振り返る、夫が突然うつになった日のこと(イラスト/細川貂々)

 今年8月1日、お笑い芸人・ネプチューンの名倉潤がうつ病を公表。妻でタレントの渡辺満里奈はインスタグラムで《家族で体調と向き合いながらゆっくり過ごしたい》と綴り、家族と二人三脚でうつ病に取り組む覚悟を見せた。夫が突然うつ病になったら、あなたはどうしますか? リアルケースとともに、対処法を紹介する。

◆仕事大好き人間だった夫が、ある朝突然、動けなくなったんです

【漫画家・細川貂々(てんてん)さんの場合】
 15年前、外資系IT企業勤務の夫(当時39才)がうつ病を発症。その後、妻が出産。現在は11才の息子と3人暮らし。闘病生活を描いた漫画『ツレがうつになりまして。』(幻冬舎)はベストセラーに。

 * * *
 外資系企業に勤めていた夫は仕事大好き人間で、常にポジティブ。うつには縁がないと思っていました。でも、30代後半に職場環境が変化し、仕事が激増。ストレスをため込んでいたようでした。

 そんな日々が半年続いたある日、夫が真顔で「死にたい」と言ってきたんです。あわてて病院に連れて行くと、うつ病だと診断されました。それでも夫は、薬をのみながら会社に行っていたのですが、ある朝突然、動けなくなったんです。食事もできなければ、水も飲めない──そんな状態に、私は天地がひっくり返るくらい驚きました。

 当時の私は、漫画家としてデビューしていたものの、年に数本の仕事があるかないか。それでも夫に会社を辞めてもらいました。そうでもしないと、病状がよくならないと思ったからです。

 失業保険や貯金には限界があるので、私は漫画とイラストの仕事を本格始動。家で仕事をしながら、病状が一進一退する夫と過ごしました。

 この経験を通じて痛感したのは、「見守る側の妻が、一緒に落ち込まないこと」。闘病中の夫はネガティブな言動が多かったのですが、「病気がそうさせているんだ」と思うようにしました。私だけでも、のんきに構えようと決意したことで、長期間の闘病に伴走できたのだと思います。白髪は増えましたけど(笑い)。

 現在の夫は主夫をしながら私のマネジャーなどの仕事もしています。もし、夫が会社員を続けていたら、今の日々はなかったかもしれません。

※女性セブン2019年11月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン