◆家計調査で浮かび上がった小遣い格差~最多の高松市は最少・宮崎市の2倍以上
次に、小遣いの地域別の状況を探っていこう。ここで取り上げるのは総務省統計局が毎月実施している家計調査。食料、住居、交通・通信、教育など家計収支の実態を調査したもので、その中に「こづかい(使途不明)」という項目がある。
気になるのは「使途不明」の4文字。総務省に確認すると、民間調査でいう小遣いには、昼食代や飲み代、携帯電話代などが含まれるが、家計調査ではそういった日常的な費用は外食や通信費などに計上されるため含まれないという。
そのため「こづかい」の額は民間調査の3分の1程度になる。あくまで推測だが、旅行の際に持っていくお金(交通費、宿泊費以外)や、へそくり、ギャンブルなど家計簿にあらわれないものが含まれているのではないか。
ともあれ県庁所在地、政令指定都市別に2人以上世帯の年間の額を調べてみた。全国平均は、世帯10万6188円(月額8849円)で、内訳は世帯主8万5250円(同7104円)と、その他(同居家族)2万938円(同1745円)だ。
上位5都市は下記の通り(金額は左から順に、世帯合計、世帯主、その他。カッコ内は月額)。
【1位】高松市/17万7641円(1万4803円)/13万4349円(1万1196円)/4万3292円(3608円)
【2位】富山市/16万9597円(1万4133円)/4万8149円(4012円)/12万1447円(1万121円)
【3位】水戸市/14万5703円(1万2142円)/12万1787円(1万149円)/2万3916円(1993円)
【4位】福岡市/14万3620円(1万1968円)/10万7596円(8966円)/3万6023円(3002円)
【5位】岡山市/12万9812円(1万818円)/10万2823円(8569円)/2万6989円(2249円)
最も低いのは宮崎市で、世帯7万3806円(月額6151円)、世帯主6万1568円(同5131円)、その他1万2238円(同1020円)となっている。世帯で見ると、最多の高松市の「こづかい」は最少の宮崎市の2.41倍となる。ちなみに、東京都区部は世帯9万9918円で全国平均以下だった。
上位5都市の勤労者世帯の実収入(月額)を調べてみたが、高松、富山、水戸の3市は全国平均を上回っているが、福岡、岡山の両市は平均以下。最下位の宮崎市は実収入も全国平均を大きく下回っているので、ここは相関関係がありそうだが、上位に関しては収入との関係性よりも県民性や居住環境などが影響しているのかもしれない。