国際情報

出所祝いでしこたま酔い、拘置所に爆竹投げつけた男達の末路

お祝いの爆竹が災いの元に(写真:アフロ)

 中国人がお祝いの席で爆竹を鳴らすことは広く知られている。魔除けと幸運を呼び込む狙いがあるという。が、だからといってどこで鳴らしても許されるわけではないようだ。拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * * 
「お勤め、ご苦労さまでした!」。刑務所の出口で待ち構えていた舎弟たちが大声で出迎える。映画やドラマでよく見かけるシーンだが、こちらは少し違っていた。

 場所は中国の雲南省、少数民族イ族が住む観光地である。そして問題の男が出てきたのは刑務所ではなく拘置所であった。

 同地に住む黄という男が飲酒運転で拘置されたのは8月中旬のことだった。それから約1か月の拘置の後、出てきたのが9月18日。黄の出所を喜んで友人が集まり出迎えたのだが、彼らは早速街へと繰り出し、祝いの宴を催した。

 しこたま酒に酔った一行は、この後再び拘置所へと引き返す。途中、大量の爆竹を買い込んだ。

 そして夜になるのを待っていた黄のグループは、日が暮れると大声を出しながら拘置所に車を横付けすると爆竹を投げたのである。中国の爆竹は日本の爆竹とは違い火薬の量が桁違いに多い。警官たちが突然の襲撃だと誤解しても不思議ではなかった。

 当然、すぐに拘置所を守る武装警察が10名ほど駆け付け来た。これを見て友人たちは逃げ出したが、黄は大胆不敵にそこにとどまり、さらに爆竹を4発投げつけた。

 結局、黄はその場で捕らえられ出てきたばかりの拘置所に逆戻り、14日間留め置かれた。そして黄と一緒に爆竹を投げた焦という男も捕まり、7日間拘置所に送られたという。漫画のようだが本当の話だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト