案の定、今年6月以降10月末までの「3歳以上」レースで、昨年まで“主役”を務めていた4歳馬は大苦戦。1勝クラスの勝利数は3歳馬の3分の1、勝ち上がったのは20頭に1頭ほどしかいなかった。2勝クラスでも3歳馬の倍以上の出走頭数にもかかわらず、勝利数で20以上差をつけられた。

 もちろん、3歳時に重賞を勝つなど底力があって出世すれば、頭数も落ち着くし、目指すレースにじっくり備えることもできる。能力の高い馬どうしの、高レベルのレースを見たいファンにとっては歓迎すべきことではある。いたずらに馬齢を重ねるだけでは、出られるレースでの相手が強くなるばかり。成績が頭打ちになった馬は、競馬場から淘汰されていくしかないのだ。

 競走馬の世代交代はどんどん早くなっているが、馬券を買うファンのほうはそうでもない。JRAが東京・京都競馬場とウインズ後楽園、ウインズ梅田の来場者に対して行なったアンケートによれば、平成3(1991)年の来場者平均年齢が42.7歳だったのに対し、26(2014)年では55.8歳に。また3(1991)年には全世代の中でもっとも多かった20代が、平成26(2014)年には4.7%まで減少、逆に60代以上は増え続けて45%にもなっており、現在ではすでに半数を超えていると思われる。

 もっとも昨年はネットでの売上が70%にも達しており、どこにいても馬券が買えるようになった。令和の時代も、競馬はさまざまな“進化”をとげていくのだろう。

●ひがしだ・かずみ/今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。

※週刊ポスト2019年11月29日号

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