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進む米の多様化 この10年で需要量15%減も銘柄数は50%増

炊き方にこわだる人も多い

 もっともこうした東北勢の躍進は単に温暖化によって適作地が北上したというだけの話ではない。もし適作地の北上だけが理由ならば、長く生産され続けてきた宮城県のササニシキの23年ぶりの「特A」復帰の説明がつかないからだ。察するに穀物検定協会の検定においても、コシヒカリ一辺倒ではなく、さまざまな食味が評価されるようになってきたのではないか。

 適作地の北上に伴い、各地で新品種の開発が進んだ結果、多様な味わいが穀物検定の検定員の口に入るようになった。10年前、平成20年産の食味ランキングでは特Aを取ったのはわずか6品種21銘柄だったが、最新の平成30年産米では品種22、銘柄55と、品種・銘柄ともに過去最多の特Aが生まれた。日本のコメマーケットは、国内市場向けの生産物としては縮小傾向にあるが、質としては多様な味わいを認める円熟期に入ってきていると言っていい。

 文化が醸成される過程では、特定のブランドや権威がもてはやされ、市場が一色に塗りつぶされる時期がある。しかし「文化」として認められるものは、必ずその先に一定の多様性を獲得する。

 口に入れた瞬間「甘い」「粘る」ことだけがうまさの指標ではない。噛みこんだ先にある味の伸び、弁当やおにぎりにしたときの冷めたごはんの味わい──。近年市場に投入される銘柄米には、さまざまな味わいがある。皮肉なことに「コメ離れ」が囁かれて久しい現代において、ようやく日本人は「コメ文化」を獲得しつつあるのかもしれない。

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