芸能

イッセー尾形 一度はやめた一人芝居を再開した理由

1度はやめた一人芝居をなぜ再開したのか

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、俳優・イッセー尾形が、主演映画『漫画誕生』の進行が記憶が観客のものになる構造と、あらためて一人芝居について語った言葉をお届けする。

 * * *
 公開中の映画『漫画誕生』にイッセー尾形は主演、戦前の漫画家・北沢楽天を演じている。

「台本を読むと、扱っているのは漫画家という特殊な役なのですが、全体を見ると、時代とともに大衆と寄り添ってきたはずなのに戦後スポイルされていく──という構造なんですよね。

 その皮肉な感じ、ありていに言うと歴史に翻弄される。そこが面白くて参加しました。

 本当にいた方ですから、外見については似せた方がいいと思って、写真を見ながら似せています。そうやって、外見から入るのは好きなんですよ。

 こちらは外見さえ作れば、内面というのは見ている人が作りますから。人って想像する生き物なんです。ただ外見を見ているだけの人はいません。ですから、外見を作っておけば、人は何かを想像してくれます」

 尾形が扮する老いた北沢が検閲官からの尋問に対して若い日々を回想する形式で、映画は進行していく。

「記憶を振り返るわけですから、その場面は僕が出ているけれども、その次の昔の時代の映像には僕は出ていないわけです。

 そうなると、スクリーンに映っている昔の場面は僕が演じる男が語ったその男の記憶であるにもかかわらず、もうその男のものではなくて観客のものになっている。人生の記憶が自分のものではなくなってしまう──そんなことが起きる予感があったのも、面白かったですね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

高橋藍の帰国を待ち侘びた人は多い(左は共同通信、右は河北のインスタグラムより)
《イタリアから帰ってこなければ…》高橋藍の“帰国直後”にセクシー女優・河北彩伽が予告していた「バレープレイ動画」、uka.との「本命交際」報道も
NEWSポストセブン
歓喜の美酒に酔った真美子さんと大谷
《帰りは妻の運転で》大谷翔平、歴史に名を刻んだリーグ優勝の夜 夫人会メンバーがVIPルームでシャンパングラスを傾ける中、真美子さんは「運転があるので」と飲まず 
女性セブン
安達祐実と絶縁騒動が報じられた母・有里氏(Instagramより)
「大人になってからは…」新パートナーと半同棲の安達祐実、“和解と断絶”を繰り返す母・有里さんの心境は
NEWSポストセブン
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《小島瑠璃子が活動再開を発表》休業していた2年間で埋まった“ポストこじるり”ポジション “再無双”を阻む手強いライバルたちとの過酷な椅子取りゲームへ
週刊ポスト
安達祐実と元夫でカメラマンの桑島智輝氏
《ばっちりメイクで元夫のカメラマンと…》安達祐実が新恋人とのデート前日に訪れた「2人きりのランチ」“ビジュ爆デニムコーデ”の親密距離感
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《安達祐実の新恋人》「半同棲カレ」はNHKの敏腕プロデューサー「ノリに乗ってる茶髪クリエイターの一人」関係者が明かした“出会いのきっかけ”
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《“奇跡の40代”安達祐実に半同棲の新パートナー》離婚から2年、長男と暮らす自宅から愛車でカレを勤務先に送迎…「手をフリフリ」の熱愛生活
NEWSポストセブン
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン