「女子プロでハンドダウンのアドレスなのは渋野だけです。彼女は腕が長いので自然とハンドダウンになる上に、肘の可動域が広い“猿腕”なのでスイング中に両脇が空かない。この条件が揃うことで、常に腕が体の近くにあり、ヘッドが走ってクラブにパワーが伝わるスイングになる。単にハンドダウンだけを真似すると、フェースが自然と左向きになって“引っかけ”のミスが出やすくなります。
広いスタンスについても、渋野が他の選手に比べて下半身の強さがあるからできること。月1ゴルファーがやっても途中で乱れてしまうと思います」
ショットに加え、渋野と言えば“強気のパット”が代名詞だ。
「パットは上りも下りも7メートル以内は狙って打つそうです。カップに届かないパットを打たないのが信条。とにかく渋野はパターの練習量が半端じゃないから、頭と腰が全く動かずにストロークできて、パターの芯でボールが捉えられる。こちらはアマチュアがお手本とすべき打ち方です」(前出・沼沢氏)
他にも渋野は、ボギー以下を叩いた直後のホールをバーディ以上であがる割合の「バウンスバック率」がツアー全選手でダントツ。“メンタルの強さ”も凄まじく、魅力を挙げていけばキリがない。
※週刊ポスト2019年12月20・27日号