国内

盗品や横流し品の転売 オークションやフリマで常態化か

県庁のハードディスクが転売された問題で、頭を下げる神奈川県の黒岩祐治知事(中央)ら(時事通信フォト)

県庁のハードディスクが転売された問題で、頭を下げる神奈川県の黒岩祐治知事(中央)ら(時事通信フォト)

 古本屋で購入した書籍に「●●大学蔵書」という印鑑が押してあり、ドキリとさせられた体験をした人は少なくなかったが、きっと、大学の先生による大量の蔵書処分に紛れこんでしまったのだろうと善意の解釈をしたものだ。だが最近は、フリマアプリなどで日用品を買ったら「●●役所」とラベルがあって仰天させられる時代だ。こちらは、ついうっかり紛れ込んだとは考えづらい。ライターの森鷹久氏が、役所の廃棄処分品や紛失物が売り買いされている実態についてレポートする。

 * * *
 神奈川県庁のサーバーに使用されていた複数のハードディスクが、そして品川区の災害備蓄品だった、メーカーが推奨する使用期限をオーバーした紙オムツが、ネットオークションで転売された。廃棄対象だったとはいえ、役所の物品が横流しされたともいえる事件が相次いだ。ハードディスク転売犯は、デジタルメディアのデータ消去を請け負う会社の社員。オムツの転売犯は、調査中ではあるが「仲介の運送業者が関わった可能性が高い」(キー局社会部記者)という。

 これらの事件は特殊な例ではない。オークションサイトで売買されているものには、似たような出自の物品が少なくない。捨てられる、処理されるべきだったものが捨てられず、それを違法にカネに変えてしまおうとする人たちがいる。

「フリマアプリで買ったカメラのバッテリーに“××小学校備品”というシールが貼ってあって驚きました。販売者は都内のリサイクル業者。問いただしても、うちは関係ない、知らないと。その小学校に問い合わせ、何度かやりとりしたものの、連絡が途絶えた。そのまま使用していいものかわからず、使っていても気味が悪くて」

 埼玉県在住の山浦なおみさん(仮名・30代)が、フリマアプリでデジタルカメラを購入したのは今年6月。子供の試合を撮影しようと、9千円ほどで販売されていたカメラを購入した。見た目は綺麗で、使用する分には何ら不具合もない。しかし、充電のためにバッテリーを取り外したところ、学校名が書かれたステッカーを発見。盗品じゃないか、そう考えた。

「小学校の先生という人と何度か電話で話しました。機種を告げると、確かにうちで使っていたものだ、そして、少し前に紛失したものだと最初は確かに言われたんです。その後すぐ、その小学校の別の先生から電話がかかってきて、処分したものだから問題ない、と説明を受けて釈然としませんでした。盗まれたことを隠蔽しているのではないかと」

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン