筆者は念のため、当該の小学校に問い合わせたが「処分したもので、それ以上の説明はできない」というばかりで、取材に応じることはなかった。あまりに杜撰だと思えるが、都内の産廃業者によれば、こうした現実は、現場では日常茶飯事なのだという。
「紙オムツは、期限切れでも中国人相手に売れるから、転売は横行しています。災害用備蓄品で言えば、水や備蓄食、電池など消費期限より前に処分する自治体もあり、やはりこれも海外向けに転売できます。ハードディスクなどは専門業者に行くことが多く、我々のところまで流れてくることは少ないですが、手に入れることができれば、バラして全部売れるんです。データ消去を請け負う業者の中には、シュレッダーかけて物理的に処理したという証明書だけを書いて、ブツは転売するという人がかなりいる。自分で売るのは嫌だから、足がつくからと我々に持ち込む人もいる。私らは、それがどこから流れてきたものかなんて気にしない。売れるものだったらそれなりの対価をはらって買い取り、転売する。それだけです」(都内の産廃業者)
処分品を、ゴミとして捨てられるものを、それらをどう利用したとしても文句はないだろう、ということらしい。しかし、捨てた側からするととても納得はできない。ハードディスクのように個人情報の流出が懸念されるような品であればなおさら、気味の悪さ以上の、実害を伴う被害だって想定される。産廃業者が続ける。
「カメラだって記録メディアごと処分を外部業者に頼む人がいます。携帯、ハードディスク、データの入ったCD、DVDでもそうです。役所や大企業は、こうした処分を下請けに放り投げるだけで安心している。というより、金を払って業者に処分を任せたという既成事実を作り、責任逃れをしているのかもしれません」
捨てられたものを違法に転売する方が一番悪い。しかし、捨てる側にも責任があるという現実を、我々消費者はしっかりと受け止め泣けねばならない。