筆者は念のため、当該の小学校に問い合わせたが「処分したもので、それ以上の説明はできない」というばかりで、取材に応じることはなかった。あまりに杜撰だと思えるが、都内の産廃業者によれば、こうした現実は、現場では日常茶飯事なのだという。

「紙オムツは、期限切れでも中国人相手に売れるから、転売は横行しています。災害用備蓄品で言えば、水や備蓄食、電池など消費期限より前に処分する自治体もあり、やはりこれも海外向けに転売できます。ハードディスクなどは専門業者に行くことが多く、我々のところまで流れてくることは少ないですが、手に入れることができれば、バラして全部売れるんです。データ消去を請け負う業者の中には、シュレッダーかけて物理的に処理したという証明書だけを書いて、ブツは転売するという人がかなりいる。自分で売るのは嫌だから、足がつくからと我々に持ち込む人もいる。私らは、それがどこから流れてきたものかなんて気にしない。売れるものだったらそれなりの対価をはらって買い取り、転売する。それだけです」(都内の産廃業者)

 処分品を、ゴミとして捨てられるものを、それらをどう利用したとしても文句はないだろう、ということらしい。しかし、捨てた側からするととても納得はできない。ハードディスクのように個人情報の流出が懸念されるような品であればなおさら、気味の悪さ以上の、実害を伴う被害だって想定される。産廃業者が続ける。

「カメラだって記録メディアごと処分を外部業者に頼む人がいます。携帯、ハードディスク、データの入ったCD、DVDでもそうです。役所や大企業は、こうした処分を下請けに放り投げるだけで安心している。というより、金を払って業者に処分を任せたという既成事実を作り、責任逃れをしているのかもしれません」

 捨てられたものを違法に転売する方が一番悪い。しかし、捨てる側にも責任があるという現実を、我々消費者はしっかりと受け止め泣けねばならない。

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン