ビジネス

自己肯定感が低い若手社員には「失敗体験」が欠けている

自分で自分を認めて肯定する「自己肯定感」

自分で自分を認めて肯定する「自己肯定感」

 SNS等で他人からの「いいね」を欲しがる“承認欲求”に代わり、最近では、自分で自分のことを認め、ありのままの自分を肯定する“自己肯定感”を養いたいと願う若者が増えているという。自己肯定感に関する関連書籍も軒並み話題となり、ツイッターでもトレンドワード入りするほど。では、実際にどうやったら自己肯定感を高められるのか──。同志社大学政策学部教授の太田肇氏が、職場での具体例をもとに解説する。

 * * *
「先輩との付き合い方がわからない」といって職場で泣き出してしまった。あるいは、会議の議事録をうまくまとめられないことがきっかけで仕事への自信を失い、「会社を辞めたい」と口にするようになった──。

 いずれも管理職研修で、新入社員の扱いが話題になったときに聞かれた話である。新人に限った話ではない。有名大学を出て大企業に入ったあるエンジニアは、30代になって部下を持ったとたん、責任の重さに耐えられず会社を辞めてしまった。

 このような事例は他にもたくさんある。大きな原因は、当人が自分の価値や能力に自信を持てないところにある。最近しばしば話題にのぼる「自己肯定感」の不足だ。

 各種の調査によると、日本人は子どもから大人まで、この自己肯定感が低い。例えば日本と欧米など7か国の13歳~29歳の若者を対象にした調査によると、

「私は、自分自身に満足している」
「自分には長所があると感じている」
「自分の考えをはっきり相手に伝えることができる」

 という各項目で、日本の値が最も低い(内閣府/平成25年度「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」より)。

 最近の若手は「指示待ち」で積極性に欠けると言われるが、それも自己肯定感の低さと無関係ではない。また日本企業ではイノベーションが起きにくく、他国に比べて起業する人も少ないが、その背景には成功する自信がなく、失敗を過度に恐れる日本人がいる。

関連記事

トピックス

和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン