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2019.12.28 16:00  週刊ポスト

落語最前線・三遊亭白鳥作品を重厚に演じた五街道雲助

白鳥作品をどう演じたか(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、三遊亭白鳥の新作落語を、古典の重鎮と呼ばれる五街道雲助が重厚に演じた企画公演「白鳥座」についてお届けする。

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 読売新聞東京本社ビル内のよみうり大手町ホールでは読売新聞社主催の落語会「よみらくご」が年に数回開催されているが、11月14日の第17回は「『白鳥座』へようこそ」と題した企画公演。全員が三遊亭白鳥作品を演じるというもので、目玉は五街道雲助の出演。あの「古典の重鎮」が白鳥作品を演じるとは大事件だ。

 開口一番は白鳥で、この会のために作った『寄席ザワザワ』。深夜の寄席でマイク、メクリ、座布団、襖が会話をする噺で、寄席歴70年の座布団が「新作なんて邪道だ」と言うと、さらに昔から寄席を知る最古参の襖が「新作は邪道じゃない。そもそも古典と新作を分けたのは戦後の落語評論家だ」と落語史を語り、「新作は何十年と寄席で磨いてこそ後世に残る作品になる」と言って“新作の種”を撒き、「その種が芽生えた師匠方がここに集いました。白鳥座へようこそ!」と締めた。

 ドジな看護婦が騒動を起こす『ナースコール』を桂宮治が披露した後、注目の雲助が演じたのは『鉄砲のお熊』。白鳥が2011年の「SWAファイナル」で初演した作品で、白鳥には珍しく時代設定は江戸だ。

 熱海近くの小さな宿場町で幼少期を過ごしたおみつ、時次郎、長吉は長じて女相撲の大関「鉄砲のお熊」、人気の女形「中村夢之丞」、盗賊の頭「マムシの権蔵」となった。権蔵は地元を通りかかった夢之丞を誘拐、身代金百両を要求するが、目的は昔から惚れていた夢之丞を手に入れること。その権蔵と闘って夢之丞を救い出したのが偶然地元にいた怪力無双のお熊で、夢之丞は初恋の相手お熊に求婚するが、お熊は「私は相撲に生きる、あなたは役者として生きなさい」と諭して別れる。

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