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2020.01.02 07:00  NEWSポストセブン

サイコロ1つで出来る究極の双六 「強欲豚」のギャンブル性

 たとえば、その手番でそれまでに出た目の合計が21点となっていた場合を考えてみよう。この場合、あと1回サイコロを振ると、6分の5の確率で平均4点を獲得できるが、6分の1の確率で21点を没収される。

 獲得できる得点の平均は、(6分の5)×4点=3.33点。いっぽう、没収される点数の平均は、(6分の1)×21点=3.5点となって、没収される点数の平均が、獲得できる得点の平均より小さいことがわかる。つまり、サイコロを振って得られるかもしれないリターンが、失うかもしれないリスクより小さいので、ここで振り止めにするべきだ──ということになる。

 振り続けるか、振り止めるかの分岐点は、その手番でそれまでに出た目の合計が20点を超えているかどうかだ。つまり、その手番でそれまでに出た目の合計が20点に達したら、そこでサイコロを振り止めるのが、うまい戦略となる。これを「20点確保戦略」と呼ぶことにしよう。

 ところが、「20点確保戦略」だけでゲームに勝てるかというと、そう簡単にはいかない。こんな状況を考えてみよう。前回の手番までの点数は、相手のプレーヤーは99点。これに対して、自分は78点。相手に21点もリードを許している。今回の自分の手番では、うまいことに「1」以外が出続けて、これまでに合計が20点となっている。

「20点確保戦略」にしたがって、いまサイコロを振り止めれば、20点を確保して、自分の合計点数は98点となる。相手との点差はわずか1点まで迫ることができる。

 しかし、そうすると、相手に手番が移ってしまう。つぎの相手の手番で、相手が「1」以外を出すと点数は100点を超えて、相手が勝者となってしまう。

 逆に、自分があと1回サイコロを振り続けて、もし「1」以外が出れば今回の自分の手番は、22点以上となる。そうなれば、自分の合計点数が100点に達して、自分が勝者になれる。

 つまり、この状況で「20点確保戦略」に固執すると、6分の5の確率で勝者となるチャンスをみすみす相手に譲ることになってしまうのだ。

 このような局面では、勝つために、手番で20点に達していても、あえてもう少しリスクをとるべきといえる。「20点確保戦略」は1回の手番での得点を確率的に最大にはするが、最終的に勝つ可能性を最大にするとは限らない。ゲームの目的は、相手よりも先に100点に達して勝つことなのだ。

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