遅刻の前日はいつも23時頃までかかる番組がなぜか21時頃に終わって、「ああ、今日は眠れる」と安堵しました。その心の緩みが失敗でした。本当は6時起床で7時半には出社していなければいけないのに起きたのが9時だったんです。
起きた瞬間、携帯の尋常じゃない着信履歴に「何かの間違いだ」と思いました。次第に「嘘でしょ、夢であってくれ」と焦り、恐る恐るディレクターに電話すると「いいから早く来い!」と怒られ、昨日脱ぎ捨てた服に着替えて駆け込みました。
開始15分前には到着しましたが、先輩が準備してくださったこともあって、45分遅れで出演しました。番組では「宮崎は来るのか!?」なんてスーパーが出されてまさに“事件”扱いでした(苦笑)。幸か不幸かその回は最高視聴率を記録したそうで、スタッフの皆さんは心優しく接してくれました。
もともと私は立派にアナウンサーを育てる気質の強かった日テレでは浮いていたので、こんな私を使ってくれる『ラジかるッ』のためなら、何でもやろうと遅刻以降は、より強く心に誓いました。おバカキャラもバレてしまいましたが、「笑ってもらえるのも仕事」と割り切りました。
その後、日テレもタレント性の強い女子アナが増えたので、私はその転換期のアナウンサーだったかもしれません。遅刻のことは今も夢に見ますし、反省しています。もう二度としたくないですね(笑い)。
【プロフィール】みやざき・のぶこ/1979年生まれ、宮崎県出身。2002年にアナウンサーとして日本テレビに入社。『ラジかるッ』『ザ!世界仰天ニュース』などを担当。2012年に退社後はフリーで活動する傍ら、2018年に自身がプロデュースするハーブの会社「EMARA」を設立、代表を務める。
取材・文■河合桃子
※週刊ポスト2020年1月17・24日号