海外への団体旅行は禁止されたとはいえ、春節期間中は個人旅行での海外旅行者が増える。中国大手旅行会社によれば、人気旅行先のトップは「日本」で、例年ならば70万人超が訪れている。当然、感染者が日本に入国するリスクは高まる。勝田氏が続ける。
「最悪のシナリオは、日本国内に『スーパー・スプレッダー』が現われることです。感染者1人が、他の10人以上にウイルスを広げる感染源になることを指します。2003年のSARSウイルスや、2015年に韓国で流行したMERSウイルス(感染者2400人超・死者858人)でも複数のスーパー・スプレッダーが確認された」
とくにSARSでは、100人以上に感染を広げた患者もいたと報じられた。新型コロナウイルスについても、中国国家衛生健康委員会の専門家グループ長が「1人の患者から医療関係者14人が感染した例があった」と明らかにしたという。
※週刊ポスト2020年2月7日号