◆「超こってりラーメン」だって食べていい

 自律神経の専門家だからといって、私自身が健康管理を徹底できているかと聞かれれば、答えは「いいえ」です。人間ですから、過ちも犯します。

「これ、健康に良くないよなあ……」と思いながら、背脂たっぷりの「超こってりラーメン」が無性に食べたくなり、有名店に並んで食べることもあります。

 先日も、焼き肉店で7人前の肉を平らげてしまいましたし、昼からステーキ500グラムを一気に食べる、なんていう日もあります。なるべく無駄な飲み会には参加しないように心がけていますが、つい深酒してしまう日もあります。

 野菜も苦手で、最近まで食べられませんでした。怒ると自律神経のバランスが崩れてしまうことがわかっていても、ちょっと前までは、スタッフに怒鳴ってばかりいました。

 人生は反省の連続です。肉体や精神に悪いことに囲まれて生きている現代人は、反省するために生きているようなものかもしれませんね。でも、私は健康です。なぜか。

 それは背脂たっぷり系のラーメンを食べた後の正しいリカバリーの方法を知っているからです。深酒をした翌朝の正しい過ごし方を理解しているからです。「怒った後の対処法」や「怒らないための処方箋」を学んだからです。だから健康を害してしまう前に、立ち直ることができます。これがヘルス・リテラシーの力なのです。

 ダイエットもそうですが、健康に気を遣う生活が長続きしないのはなぜでしょうか。巷に溢れている健康情報を眺めてみると、「○○をしなさい」「××をしてはいけない」というものが、非常に多いように思います。

 一見、こうしたアプローチは正しいように見えますが、度が過ぎると、実はマイナスです。例えば、「背脂たっぷり系のラーメンが食べたい!」と心身から欲しているのに、「健康に悪いから我慢しろ」とやってしまうと、多大なストレスがかかってしまうのです。

 ストレスは心身に悪影響を与えます。特に自律神経のバランスを乱す大きな要因で、結果的に、食べた時よりも、我慢して食べなかった時のほうが体調を崩してしまう、という事態になりかねないのです。

 自分を律するばかりが健康な生活ではありません。「ダメな自分」を受け入れ、それを補う知恵を学んでおくことが重要なのです。

※小林弘幸・著『不摂生でも病気にならない人の習慣~なぜ自律神経の名医は超こってりラーメンを食べ続けても健康なのか?~』より抜粋

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