ライフ

自律神経の名医 こってりラーメンを食べ続けても健康な理由

こってりラーメンを食べ続けても健康でいられる(イメージ)

 全身のほとんどの器官を支配し、体調の良し悪しに多大な影響を及ぼす「自律神経」。その研究の第一人者として知られる順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、最新刊『不摂生でも病気にならない人の習慣~なぜ自律神経の名医は超こってりラーメンを食べ続けても健康なのか?~』の中で、自身の健康管理に関する数々の“過ち”を告白している。「我慢は万病のもと」と提唱する、小林教授が同書に込めた思いとは?

 * * *
 所得格差に地域格差、教育格差に情報格差など、現代社会はさまざまな分野で「格差」が拡大しています。残念ながら、その流れは医療や健康面にも及んでおり、新たな社会問題となりつつあります。

 しかし、医療格差や健康格差の場合、収入や地域などの外的要因に関係なく、自身の肉体や健康に関する正しい情報や知識、いわゆる「ヘルス・リテラシー」を高めることによって、いつでも誰でも、「下流」から「上流」へと駆け上がれるものです。

 それにもかかわらず、日本人、とりわけ壮年期のビジネスパーソンは、いまなおヘルス・リテラシーが低いままです。1960年代に「モーレツ社員」という流行語が生まれましたが、会社のために粉骨砕身で働くことが美徳とされ、そのような企業文化はまだまだ根強く残っています。

 ここ数年、「働き方改革」の大号令がかかったこともあり、ようやくビジネスパーソンたちの健康に対する意識も高まってきました。

 ところが、「人生100年時代」という言葉の流行も重なり、医療や健康に関する玉石混淆の情報が、影響力のあるテレビや新聞、雑誌などで一気に溢れ返るようになったのです。ネット上では、医師などの監修を受けない、かなりきわどい健康情報サイトも増えています。

 そして、残念なことに、ヘルス・リテラシーが低いままだと、メディア側の興味を煽る巧みな技術によって、誤った、もしくは自分には不適切、不適当な情報を信じ込み、かえって体調を悪化させることにもなりかねないのです。

 例えば、朝食を食べる、食べない。炭水化物を抜く、抜かない。まったく正反対の行動にもかかわらず、どちらも「健康にいい」と医師たちが太鼓判を押し合っています。いったいどうしたらいいのでしょうか。

 答えはひとつです。私たち自身がヘルス・リテラシーを磨き、自分にとって相応しいか相応しくないか、自分でジャッジできる判断力を身につけるしかないのです。

 医師の情報とはいえ、不特定多数の人に向けて発しているわけですから、自分に合っているかどうかは自分で判断するしかありません。病院で受診した時のような気持ちになってはいけません。

関連キーワード

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン