ビジネス

「空飛ぶクルマ」で自由移動できる時代は本当にやってくるか

NECが試作した「空飛ぶクルマ」(時事通信フォト)

NECが試作した「空飛ぶクルマ」(時事通信フォト)

 自動運転やEV(電動化)など、100年に1度といわれる自動車業界の技術革新は目を見張るものがあるが、いま事業化へ向けて新たに開発が進められているのが、“空飛ぶクルマ”だ。果たして「空陸両用」のクルマで自由に移動できる時代はやってくるのだろうか。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏がレポートする。

 * * *
 もしもクルマが空を飛べたなら、どんなにいいことだろう──クルマを運転している人なら誰もが思うことだろう。普段は道を走っていても、渋滞しているときはそれをパスしてひとっ飛び。道のないところを移動することもできるし、景色のキレイなところでは空中遊覧飛行。道路という二次元移動からの解放は、まさにモビリティを一変させるだけのポテンシャルを秘める一大革命だ。

 その革命を起こしてやろうと、既存の自動車メーカーからベンチャー企業まで、多くの野心的なプレーヤーが現在、開発競争を繰り広げている。

 名乗りを上げているメーカーの一社、トヨタ自動車が1月15日、新たにアメリカの垂直離着機ベンチャー、ジョビー・アビエーション社と提携すると発表した。出資額はじつに4億ドル弱で、豊田章男社長の“盟友”、友山茂樹副社長がジョビー社の取締役に加わるというのだ。

 トヨタは今年の東京オリンピックで空飛ぶクルマでのデモを行うと宣言。トヨタからスピンオフした日本の空飛ぶクルマ開発集団、カーティベーターに資金協力している。

 言った以上、これは何としてもやり遂げることであろう。一人乗りのマルチコプター(4ローター以上の多回転翼機)であれ何であれ、車輪がついていさえすれば「クルマ」と言い張ることはできよう。

 難しいのはその先である。余興ではなく商品として空飛ぶクルマを作る以上、ちょっと飛べましたという程度では到底すまない。品質、安全性、実用性、騒音やCO2排出量などの環境性能などが、クルマとは比較にならないレベルで求められるのだ。ジョビー社への約4億ドルもの出資は、その“新たなる段階”を見据えたものと言える。

関連記事

トピックス

1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/五十嵐美弥)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン