もう一点、空をクルマが飛び回るようになると無視できないのが航空管制の問題である。空は一見広いように見えるが、管制を一歩ミスると空中衝突事故が起こりかねないシビアな世界。そこをパーソナルモビリティが飛び回るというのだから、大変なことだ。

 また、乗員一人一人が固定翼より取得の難しい回転翼の免許を取るのは非現実的で、離着陸も含めた完全自動操縦が原則となるであろう。膨大に増えた交通需要を航空管制官がさばくのは到底無理になるであろうから、管制側もAIを使った完全自動システムを開発する必要がある。

 こうした数々のバリアを技術革新で乗り越え、ヘリコプターとクルマを一体化させるメリットが優越する時代が来るのはいつのことだろうか──。

 もっとも世知辛い前提を排除すれば、空を手軽に飛べることはやはり夢いっぱいであるし、高価であってもそういう商品を持つことは、技術イメージの面でも富裕層へのブランド訴求性の点でもプラスに働くことは確実だ。案外、そのへんがトヨタの一番の狙いなのかもしれない。

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