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“五輪おじさん”の二代目 観戦チケット不足の難題に直面

「初代」は天国から応援(写真/共同通信社)

「これが最後の五輪。応援人生の集大成にしたい」──そう公言していた“五輪おじさん”こと山田直稔氏の願いは叶わなかった。

 昨年3月、2020東京大会を目前に92歳で急逝した山田氏。1964年の東京大会から2016年のリオ大会まで14大会連続で夏の五輪を現地で応援。羽織袴に金色のシルクハット、日の丸の扇子という出で立ちで日本選手に声援を送り続けた。どの会場でも目立つその姿で、海外メディアからも取材攻めにあった。

 そんな祖父の遺志を継ごうと、葬儀では中学1年生の孫の藏之輔君が「二代目就任」を宣言したが、ここにきて、山田家は「観戦チケット不足」という難題に直面しているようだ。

 昨年5月以降、3度にわたり約448万枚の国内向けチケットが販売されたが、予想以上に抽選倍率は高くなった。直近の二次抽選では約100万枚に2900万枚の申し込みが殺到。倍率は29倍を超え、多くの人が“チケット難民”化した。

 山田氏の家族も例外ではない。一家総出で申し込んだ結果、当選したのは女子バレーの3位決定戦だけ。日本代表が出場する保証はなく、このままでは日本戦を応援できない可能性がある。

 そもそも“先代”は一体どうやって五輪の日本戦チケットを入手していたのか。生前の山田氏と交流のあったスポーツ紙デスクが語る。

「山田さんは旅行代理店で宿泊などとセットでチケットを購入していた。“1大会で1000万円を使った”と話していました。家族や社員を動員するなどマンパワーを駆使してもいたが、だんだん販売方法が厳格になり、晩年は入手に苦労していたようです」

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