スポーツ

野村克也氏「サッチーのように楽に逝きたい」と語っていた

50年近く隣にいた人が突然いなくなった心境を問うと、「心にぽっかり穴が空いたままなんだよ…」とぽつり

 野球解説者の野村克也氏が2月11日、84歳で亡くなった。現役時代は名捕手として南海などで活躍し、引退後もヤクルト、阪神、楽天などの監督を歴任し、歴代5位の1565勝を挙げた。プライベートでは愛妻家としても知られた野村氏だが、2017年12月に45年連れ添った“サッチー”こと沙知代夫人に先立たれた。その直後の本誌・週刊ポストのインタビューでは、「男って弱いわ。いるとうるさいと思うけど……ほんと、男って勝手だよ。先に逝かれると不便で仕方がない。やっぱり男は先に逝ったほうがいいよ」とボヤいていた(2018年2月2日号)。

 取材では、野球解説の時と違って、弱音が口を突いて出た。沙知代夫人がいないことを実感する瞬間について尋ねると、こう話していた。

「そうだね、家に帰って来た時かな。誰もいない家に帰っていくというのは寂しいもんだね。特に冬だから家の中が冷え切っている。それがものすごく堪える。だから、外出する時は家の中の電気を灯けたままにする。帰ったときに真っ暗だと寂しいから……」

 ただ、「男おひとりさま」となってからの日々の暮らしの中でも、沙知代夫人に感謝の思いを抱くことがあったという。息子である克則氏の一家が同じ敷地内に住んでいることについて、こんなふうに語っていた。

「裏に克則が住んでいるから安心だよね。結果としてよかったよ。もともとは広い庭を眺めながら悠々自適に老後を過ごそうと思っていたのに、克則が敷地内に家を建てたいと言い出した。そりゃ都心で家を建てるのは大変だからね。

 オレは反対だったんだけど、奥さんは子供が可愛いいから“いいわよ”と二つ返事。玄関は別の通りに面しているが、庭でつながっているから、“おーい”と呼ぶと横切って徒歩1分だよ。最高だよ。うちの奥さんはすべて考えていたんでしょう。

 ただ、食事はひとりが多いよ。朝昼兼用のブランチは克則の嫁が運んでくれるけど、夜まで厄介になるわけにはいかないから、ひとり寂しく出てきて、ひとりで寂しく食べている。毎日一人です。ま、5回に1回ぐらいは克則の家族と食べるかな。毎日というわけにはいかないよ」

関連キーワード

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト