南海がひっそりと日本一に(写真/共同通信社)
この試合を3-0で南海が制し、日本一に。当時、南海の2番打者で日本シリーズに臨んだ広瀬叔功氏が嘆息する。
「あの年は初の首位打者と盗塁王を獲った最高のシーズンだったんです。ノムさん(野村克也氏)も打点と本塁打の二冠に輝き、チームも日本一になった。それなのに世間は五輪一色で、まったく騒がれなくてね……」
ちなみにこの年、王と長嶋を擁する巨人は早々に優勝戦線から脱落。2人は新聞社の企画で開会式に足を運び、注目を浴びていた。4年に一度の祭典は、国内最大の人気を誇ったプロ野球まで呑み込むほどの熱で人々を魅了した。
※週刊ポスト2020年2月21日号