芸能

東出昌大番組に登場 わさび、小痴楽、吉笑ら演出のシブラク

若手ならではの演出が光る(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、俳優の東出昌大が進行役をつとめる番組のレギュラー、柳家わさび、柳亭小痴楽、立川吉笑という3人の若手が出演する「渋谷らくご」についてお届けする。

 * * *
 落語を愛するイケメン俳優の東出昌大が「落語を知らないなんて勿体ない!」と毎回ひとつの演目について語る『落語ディーパー!~東出・一之輔の噺のはなし』。NHKのEテレで不定期に放送されているこの番組には、メインの春風亭一之輔の他に柳家わさび、柳亭小痴楽、立川吉笑という3人の若手がレギュラー出演している。1月10日、この3人が勢揃いする「渋谷らくご」(通称「シブラク」)に出掛けた。

 渋谷・ユーロライブで毎月第2金曜から5日間開催される「シブラク」は1日2公演で、2時間で4人が出る「渋谷らくご」と1時間の「ひとりらくご」または「ふたりらくご」の組み合わせが通常の興行形態。この日は18時から「ふたりらくご」(春風亭昇々、春風亭昇羊)、20時からがわさび、小痴楽、吉笑が出る「渋谷らくご」で、もう一人は女性浪曲師の玉川奈々福。彼女も「シブラク」ではお馴染みの演者だ。

 超満員の大盛況の中、一番手の吉笑が演じた『歩馬灯』は、死ぬ間際に見る走馬灯がメチャメチャ遅くて延々と自分の人生を見続ける男の噺。母との幼稚園時代の会話を再現する可笑しさは、吉笑が得意とする「反復が生む笑い」の極み。友達と「串に刺すおでんの具ベスト3」や「水野美紀と水野真紀の違い」を熱心に語る自分に「何がおもろいねん!」とツッコミを入れるくだりも最高だ。「走馬灯が遅い」という発想、ヒネリの利いた結末もさすがだが、この噺の面白さの根本は吉笑ならではの台詞回しのセンスにこそある。

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン