ただ、長年の槇原ファンの中には、「1回目の逮捕以降に出した名曲も、覚せい剤の力を借りて作っていたのだとしたら、もう感情移入して彼の曲を聴くことができません」(40代主婦)と話す人も多いが、前出の富澤氏はこんな見解を示す。
「もちろん2度も逮捕されれば、彼自身のイメージ回復は難しくなるでしょうし、20年以上たっても薬物を断ち切れず、これまでの実績さえ台無しにしてしまったことは、自己責任のなさ以外なにものでもないでしょう。
しかし、今後、槇原敬之の曲は絶対に聴かないし、カラオケでも歌わない──と決めるのは、あくまでも受け手の判断に委ねるべきであって、その選択肢を作り手側がなくしてしまう横並びの自主規制には疑問を感じます」
かつて、自身がパーソナリティを務めるFMの音楽番組で幾度も槇原と対面してきたという富澤氏。
「外見こそ地味ですが、非常に繊細ですし文学的センスもある。きっと『売れ続けなきゃいけない』という過度なプレッシャーにも負けてクスリに手を出してしまったのかもしれませんが、そうした弱さを克服するのは彼自身しかいませんからね。
今回の件は非常に残念ですが、薬物依存から必ず更生して、またたくさんの曲を生み出してほしいです」
槇原がスキャンダルではなく、人々の記憶に残る名曲の数々を再びリリースする日はやってくるのだろうか。