国内

東京北部のハザードマップ、池袋は水が溜まりやすい

北区・板橋区・豊島区・練馬区のハザードマップ

 近い将来、起きる可能性が高いといわれる「首都直下地震」。人類が未だ経験していない、大都市への地震直撃に向けて、しっかりと備えておく必要がある。あなたの家、親族の家、子供の学校、職場は、安全な地域にあるのか、それとも、特別な備えが必要な場所なのか──。

 今回は23区のうち北区、板橋区、豊島区、練馬区の詳細な「ハザードマップ」を作成した。

※参考/東京都建設局「東京の液状化予測図 平成24年度改訂版」、東京都都市整備局「地震に関する地域危険度測定調査」、国土交通省国土地理院デジタル標高地形図、『首都大地震 揺れやすさマップ』(旬報社)

◆昔の河川が弱点になり得る

 隅田川や石神井川など、目に見える川を「開渠(かいきょ)」と言うのに対し、地下水路に転用するなど、何らかの手を施して見えなくなった川を「暗渠(あんきょ)」と呼ぶ。もちろん、埋め立てで姿を消した旧河川も存在する。武蔵野学院大学特任教授の島村英紀さんはこう指摘する。

「川がなくなっても、地盤は変わりません。川が流れていた谷底地形には軟弱な堆積物が溜まり、激しい揺れのほか、液状化や水害の恐れがあります」

 忘れてはならないのは、荒川の危険性だ。現在は板橋区北部から北区北東部へ向かって、河川改修で真っすぐに流れているが、かつては波打つように激しく蛇行していた。関東学院大学工学総合研究所の若松加寿江さんは危険性をこう語る。

「蛇行していた昔の水路と現在の水路が交差する部分は、最も被害を受けやすい。過去の地震で堤防が大陥没を起こした例は多数あります」

 自分の町の地形くらいは知っておいた方がよさそうだ。

◆池袋駅周辺は水が溜まりやすい「袋」

池袋駅周辺は水が溜まりやすい(写真/PIXTA)

 現在の「元池袋史跡公園」(西池袋1丁目)にかつて存在した「丸池」が「旧・弦巻川」の水源とされる。この丸池付近に複数の池が存在したこと、板橋駅付近を蛇行する「旧・谷端川」の袋状の谷などが「池袋」の地名の由来といわれる。

◆蛇行していた荒川

 大正時代に改修工事が始まるまで、大きく蛇行していた「荒川」。「新河岸川(しんがしがわ)」は工事の際に新たに掘削された川であり、かつての荒川の流路と重なる部分が多い。「浮間ヶ池」はかつて荒川が流れていた名残である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
元・明石市長の泉房穂氏
財務官僚が描くシナリオで「政治家が夢を語れなくなっている」前・明石市長の泉房穂氏(62)が国政復帰して感じた“強烈な危機感”
NEWSポストセブン
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン