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「無観客競馬」は1番人気馬にとって追い風なのか

2020年3月1日の中山競馬場正門

 この時期の中京開催は、最終日にGⅠ高松宮記念が行われることもあって、「裏開催」とは言えない面もある。出走馬の力関係を鑑みたり、左回りのコースを求めたりで、確勝を期して中京でのレースを選択するケースも多い。そんな陣営の期待はあるものの、「観客」の圧力がないことで、1番人気馬はリラックスできたのかもしれない。

 あるいは・・・・。クラシックのトライアルなどは、阪神競馬場で行われるし、リーディング上位騎手も、やはり阪神で騎乗することが多い。中京競馬場で人気馬に騎乗した騎手が、観衆という「プレッシャー」がないことで、馬を実力通りに走らせることができた、と考えることはできないか。

 もちろん騎手のメンタルトレーニングは万全だろうし、プレッシャーにも強いに違いない。それでも、大枚を賭けた大勢の「ファン」が、目の前で自らの騎乗に注目しているのか、それともテレビで見ているだけかの違いは感じるのではないか。デビュー間もない若手や、騎乗馬に恵まれない騎手は、「勝てる馬」に乗った機会を逃したくない。「無観客の方がいい」とは決して言えないが、プレッシャーは少ないほどいいはずだ。

 もちろん「無観客競馬」はまだ2日間を終えたばかり。昨年とは開催日程も違うので2日間のデータだけで、決めつけることはできないし、強い馬が人気通りに走ったということだけかもしれない。それでも、しばらくはパドックや返し馬を直に見ることができないわけで、ローカル開催での1番人気馬の勝率に注目してみるのもいいのではないか。

●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター

中山競馬場(2020年3月1日)

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