「旭水産」で勧められた子持ちヤリイカの感触を確かめつつ入手
先月、高橋さんは、フランス・パリに出向き、3日間にわたってのべ約250人に鮨を握ってきた。現地の魚を使ってわかったことがあったと高橋さんは言う。
「キンメダイ、ヒラスズキなど、ヨーロッパの魚自体は悪くない。でも、日本と違って、生魚を食べる文化がないため、流通が悪く、魚の身が臭かったりする。でもそこを改善すれば美味しくなる可能性はあると思ったんです」
帰国した高橋さんは、新たな夢を持ったという。
「たとえば、スペインの港町とかに行って、鮨を握るのも面白いんじゃないか、と思い始めた。環境さえ整えて、江戸前鮨の技術を持ってすれば、日本人は外国でも美味しい鮨を握れるんじゃないか、と。ハワイで成功した師匠の中澤親方の気持ちがようやくわかったところです」
●匠 進吾
東京都港区南青山2-2-15ウィン青山1F
営業時間:18時~23時(最終入店)
定休日:水
予算2万5000円~
※要予約
■撮影/太田真三、取材・文/一志治夫
※週刊ポスト2020年3月20日号