これについて、中国国営の新華社通信は「孫副首相は省と市に対して、大衆が現場で示した困難と問題に関する徹底調査を指示し、形式主義と官僚主義の排除を求めた」と伝えた。中国政府で地域住民の生活関連政策を立案する民政省幹部も記者会見で「報道された武漢市の『嘘』は党と政府のイメージを甚だしく損なった。断固として正さなければいけない」と指摘し、地元幹部の作為的な言動を厳しく批判した。

 湖北省や武漢市幹部はこれによほど懲りたのか、10日の習主席の視察では「習氏の警護」との名目で、多数の警官を動員して、集合住宅の主だった場所に配置。住民が習氏に「直訴」できないように非常時態勢を敷いた。

 このため、誰一人習氏に対して声を上げる住民はおらず、視察は地元幹部主導で整然と行われた。

 しかしネット上には、習氏が視察した居住区の集合住宅のベランダに上がりこんで警戒する警察官2人の写真とともに、「また住民が叫ばないか監視している」の書き込みが掲載され大きな話題を呼んでいる。すでに、投稿は消去されているが、「湖北省や武漢市の幹部は市民のことをまったく考えていない。考えているのは自分たちのことだけだ」などの批判の声がネット上に書き込まれた。

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