国内

「コロナ出羽守」の言い分、白人様による差別は問題ない

外国人観光客の減少はやむを得ないが(時事通信フォト)

 出羽守(でわのかみ)とは、本来は出羽国(現在の山形県と秋田県)の国司(長官)のことをいうが、現在ではもっぱら海外(外国)の事例を「~では」とあげ、日本はダメだと嘆く人たちのことを言う。SNSが普及するにつれて、出羽守たちの活躍の場も増えていたが、新型コロナウイルスの影響が世界に広がるにつれ、彼らの勢いが削がれている。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、コロナ出羽守の生態について解説する。

 * * *
 新型コロナの影響で、以前紹介した「出羽守」の皆様方がネット上で意気消沈している。出羽守とは、「欧米ではー」と、欧米の人権意識の高さや人々の崇高なる行動を称賛し、日本を叩く人々のことである。

 称賛の対象は筆頭が北欧、次いでフランス、ドイツ、民主党支持アメリカ人、カナダ、イタリア、オーストラリア、次いでその他が横並びとなる。中韓もなかなか上位に入ってくるが、中東や東南アジア、アフリカ、南米はあまり入らない。彼らの頭の中では、欧米ではエロ本が公共の場では売っておらず、誰もがレディーファーストで痴漢もDVもレイプもないということになっている。電車の痴漢の多さについては日本特有で言語道断だが、人口比のレイプ被害は明らかに日本がケタ違いに少ないというデータを見せると「日本人女性は泣き寝入りをしているから見せかけの数字でしかない」と反論する。

 そんな中、欧米に散らばる日本人(ないしは日系)SNSユーザーからひどい差別を受けているという報告が相次いでいる。豪ではバスに乗ろうとした女性が乗客から中指を突き付けられて乗車拒否され、運転手も同調。こんな報告だらけなのだ。

 彼らからすればアジア人は皆同じとしか見えないのだろうが、一気に差別感情が噴き出たわけだ。現在の日本で白人を見て「不潔なイタ公、あっち行け」なんて言うのと同じことだ。そんな馬鹿は糾弾されるべきである。これに対して出羽守の皆様が静かなのだ。

関連記事

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン