「若年層に多い、無症状の感染者が高齢者にうつすリスクを避けたい。高齢者と家族が直接、接することはなるべく控え、電話やメールでの会話を心がけてほしい。万が一、高齢の親にうつしてしまうと悔やんでも悔やみきれません」(中村さん)
超高齢化社会の日本では、家族と生活を共にしない「独居老人」の存在も気にかけるべきだ。全国には65才以上の人々が600万人、東京だけで60万人いるという。
「いまこそ地域社会の結束が問われています。難しいことかもしれませんが、近所に独居の高齢者がいれば、何か困っていることはないか声をかけたり、気を使ってほしい。できるだけ高齢者が外出をせずに暮らしていけるよう、行政の目配りはもちろん、隣近所の助け合いが必要なのです」(厚労省関係者)
とにかく他人との接触の機会を減らすこと、それは家にこもることにほかならない。ただ、その一方で、体力や筋力の維持にも気を配りたい。
医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんが指摘する。
「高血圧などの持病がある高齢者がずっと家の中にいると症状が悪化します。これは東日本大震災の原発事故後に福島で生じたジレンマで、高齢者はどこかで体を動かした方がいい。室内での運動が望ましいですが、夜間に近所を散歩するくらいならリスクは低いので、極力体力を落とさない工夫をしてほしい」
もちろん、外から帰宅した際は手洗い、うがいを徹底することが重要だ。
※女性セブン2020年4月16日号