この本が紹介する江戸から昭和戦前期までの舞台史は、通好みでありすぎる。私にはついていけないところもあるが、歌舞伎好きにはたまらない読み物であろう。ただ、男しか演じないというしきたりが、ようやく昭和に入って確立したことは、私でものみこめた。歌舞伎観を一新する本である。
いや、歌舞伎だけにかぎったことではない。伝統的とみなされる他のことどもにも、歴史的な底があさいものは、けっこうある。用心したいものである。
※週刊ポスト2020年4月17日号
この本が紹介する江戸から昭和戦前期までの舞台史は、通好みでありすぎる。私にはついていけないところもあるが、歌舞伎好きにはたまらない読み物であろう。ただ、男しか演じないというしきたりが、ようやく昭和に入って確立したことは、私でものみこめた。歌舞伎観を一新する本である。
いや、歌舞伎だけにかぎったことではない。伝統的とみなされる他のことどもにも、歴史的な底があさいものは、けっこうある。用心したいものである。
※週刊ポスト2020年4月17日号