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北海道の不安 外出自粛が徹底されヒグマが出没しやすい環境に

2010年、北海道の商店街に現れたヒグマの親子(斜里町提供/時事通信フォト)

 国に先駆け2月末に緊急事態宣言を発令した北海道が、新たな不安に包まれている。冬眠から目覚めたヒグマの出没だ。

 道は4月1日から5月末までを「春のヒグマ注意特別期間」とし、住民に注意を喚起。近年、山から下りてきたヒグマが市街地を徘徊するケースが相次ぎ、活動を活発化させているためだ。

 今月7日には、JR東根室駅近くに体長1.2mのヒグマが現われた。警察と市が警戒に乗り出したが、その後の行方は掴めていない。

 昨年は、人口197万の札幌市内でも出没が相次いだ。いずれも住宅や小中学校が建ち並ぶ市街地で、出動したパトカーが「絶対に外に出ないで!」と住民に呼びかける場面もあった。

 その時に出没を繰り返していた雌のヒグマ(体長1.4m)はハンターにより駆除されたが、山に戻り越冬した個体が、エサを求めて再び街を目指す可能性は大いにある。今年は記録的な少雪などの影響で、出没時期が早まりそうだという。

「本来、クマは非常に警戒心が強く臆病な動物です。4月は山にも豊富な食糧があるはずですが、生ごみや残飯などの“エサ”の味を覚え、人を恐れなくなっているクマが人里へ下りてくる可能性があります」(北海道環境生活部)

 こうした状況に拍車をかけそうなのが、街を出歩く人の減少だ。地元関係者はこう語る。

「現在、北海道では外出制限が緩和されていますが、再び新型コロナの感染者が増えて外出自粛が徹底されれば、クマが出没しやすい環境ができると考えられます」

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