人を襲う危険性に加え、経済への影響も深刻だ。道の調査では、ヒグマによる2018年度の農業被害額はおよそ2億2800万円と過去最大に。また、道立野幌森林公園で78年ぶりにヒグマが出没し、キャンプ場やパークゴルフ場の利用者が減ったことなどから、2019年度上半期の石狩管内(札幌市を含む8市町村)の観光客数は5年ぶりに減少した。
今のところ、市街地での人的被害は報告されていないが、北海道には、体長2.7m、体重340kgのヒグマが次々と民家を襲い7人の犠牲者を出した「三毛別事件(大正4年)」の例もある。
クマに出会うのは「森の中」とは限らない。
※週刊ポスト2020年4月24日号