◆ごぼうの仕事
ごぼうはたわしでこすり洗いをし、縦に細かく切り目を入れてささがきにする。
「酢水に放して、色止めをしてくださいね。そうでないと、腹黒いみそ汁になりますからね(笑い)」(ばぁば)
◆ねぎと豆腐の仕事
ねぎは斜め薄切り、豆腐は6~7mm厚さの色紙形に切る。木綿豆腐でもよいが、絹ごしの方が口当たりがなめらかで、ほかの具材との相性もよい。
◆『牛肉とごぼう、豆腐のみそ汁』の作り方(2人分)
【1】煮干し(20尾)ははらわたをつまんで除き、尾の手前まで2つに裂いて、鍋かボウルに入れる。水4カップを注ぎ、酒少量を加えて一晩浸しておく(夏場は冷蔵庫へ)。
【2】牛薄切り肉150gはひと口大に切る。豆腐1/2丁は色紙形に切り揃える。ごぼう100gはたわしでこすり洗いをしてささがきにして酢水に放し、水の色が変わったらすぐに水を替え、ざるに上げる。ねぎ1/4本は斜め薄切りにする。
【3】鍋に【1】のだしを煮干しごと入れて強火にかけ、沸騰したらアクを取り、弱火で5分ほど煮る。煮干しを取り出して牛肉を加える。アクを取ってごぼうを入れ、みそ80gを溶き入れて酒小さじ1をふり、豆腐とねぎを加える。
【4】再びフツフツとしたら火を止め、具材をお椀に盛りつけて最後にみそ汁を張る。好みで七味唐辛子をふっていただく。
◆だしとみその仕事
「このおみそ汁は、ばぁばの母・お千代さん直伝のごちそうなのです。ばぁばが子供の頃は牛肉はたいそう貴重で高価なものでした。それをみそ汁仕立てにするとは、ハイカラな材料をうま~く日本料理にアレンジするのが得意だったお千代さんらしいごちそうで、いまでも、最初に口にしたときの感動は心に残っています。
もっと風味を出したい場合は、少々値は張りますが、煮干しの代わりに焼き干しをお使いになるとよいの。その場合も一晩水とお酒でじっくりとだしをとってください。おみそを溶き入れたらすぐに火を止めること。ぐらぐら煮てはいけませんよ」(ばぁば)
■撮影/鍋島徳恭
※女性セブン2020年4月30日号