ライフ

苦境の飲食店 支援の輪はデジタルで広がりつつある

レストランで向き合って食事することが難しくなってしまった

 全国に広がった緊急事態宣言、飲食業界の苦境は察するに余りある。しかし、徐々に支援の仕組みも機能しつつある。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏がレポートする。

 * * *
 東京が世界一のグルメ都市であることは、もはや論を俟たないと思う。世界中の国や地域の食を、大衆店から高級店までおいしく味わえる、多様な食都市は世界中探しても見当たらない。そんな東京の外食文化がいま大きな転換点を迎えている。通常通りの営業がやりづらいいま、テイクアウトやデリバリーに乗り出す飲食店が急増している。飲食店にとっては、事態が落ち着くまえでの“つなぎ”であり、窮余の一策だ。しかしその周辺には、新たなサービスや支援策が続々と生まれている。

 動きが早かったのは大手検索サービスのGoogleだ。同社の地図サービスGoogleマップに登録された膨大な飲食店情報に「テイクアウト」や「デリバリー」という項目をひもづけた。3月後半、日本よりも感染拡大のスピードが早かったアメリカでサービスをスタートし、3月末からは日本国内でも反映されている。

 レストラン検索サービス大手の「食べログ」もテイクアウトできる飲食店の情報発信を強化している。実は昨年の時点で「食べログテイクアウト」というスマホアプリをリリースしていたが、4月7日には「テイクアウトできるお店特集」という特設ページを開設。エリアや食べ物のジャンルごとに近隣でテイクアウトができる店が閲覧できるようになっている。

 飲食周辺サービスで動きが早かったのは、グルメアプリをリリースする「キッチハイク」だった。3月1日には「飲食チケットを買って未来のお客さんになろう!」というサービスの構想をCOOの山本雅也氏が自身のブログサービスに投稿。3月13日には飲食店向け予約サービスの「トレタ」と連携して、数か月先に飲食店で利用可能な食事券の販売サポートを開始した。

 もちろん、SNS上のグルメ好きも動いている。3月下旬にはFacebookでテイクアウトやデリバリー情報の集約と拡散を目指して、グルメ有志が「#コロナフードアクション コロナに負けるな!! 飲食店応援ページ」というコミュニティを立ち上げた。その後、コミュニティには飲食店店主や周辺事業者も集まり、テイクアウトやデリバリーにまつわる課題や解決策、いまの飲食事業者にとって必要な情報が無数に投稿されている。

関連記事

トピックス

荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
舞台『シッダールタ』での草なぎ。東京・世田谷パブリックシアター(~2025年12月27日)、兵庫県立芸術文化センター(2026年1月10日~1月18日)にて上演(撮影・細野晋司)
《草なぎ剛のタフさとストイックさ》新幹線の車掌に始まり、悟りの境地にたどり着く舞台では立見席も
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
「異物混入」問題のその後は…(時事通信フォト)
《ネズミ混入騒動》「すき家」の現役クルーが打ち明ける新たな“防止策”…冷蔵庫内にも監視カメラを設置に「なんだか疑われているような」
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン