──健康意識の高まりで、消費者の嗜好は無糖飲料へとシフトしている。
米女:その流れは確かにありますが、当社では有糖の炭酸飲料もよく売れています。とくに「三ツ矢サイダー」では、4月7日発売の「『三ツ矢』特濃オレンジスカッシュ」という新しいジャンルにも挑戦しています。
有糖飲料がお好きな方、愛着を持っている方もたくさんいらっしゃる。海外では砂糖税を導入する国も広がっていますが、日本ではまだ有糖飲料市場が活性化する余地は大きいと考えています。
「三ツ矢サイダー」も100年以上続くブランドです。その認知度の高さと信頼をアドバンテージにしていきたい。
◆ビーガン需要にも期待
──100年超のブランドと言えば、2012年に味の素から買収した「カルピス」もあります。
米女:当時、私は人事総務部長の立場でしたが、素晴らしいブランドを築いてきた会社と一緒に仕事ができることにワクワクしたのを覚えています。「カルピス」101年目の今年は、新しいご提案にも挑戦しました。
「GREEN CALPIS」(4月7日発売)は、豆乳を使った植物ミルクをカルピス菌で発酵させた、乳成分不使用、初の植物由来のカルピスです。健康意識が高い40~50代の女性が主力ターゲットですが、昨今はビーガン(卵や乳製品も摂らない純粋な菜食主義者)やエシカル消費(環境や社会問題の解決に資する商品を購入すること)の世界的なうねりもあり、そうした需要も期待しています。