左から「ウィルキンソン」「『三ツ矢』特濃オレンジスカッシュ」「GREEN CALPIS」
──1998年と2008年の2度、出向で内閣関連の仕事をされている。
米女:1998年当時、樋口廣太郎(アサヒビール元社長、会長)が経団連副会長を務めていた縁で内閣中央省庁等改革推進本部事務局に勤務しました。
当時は橋本龍太郎内閣で中央省庁改革が行なわれたばかりの時期で、民間の人事担当者として意見を申し上げました。
2回目は内閣国家公務員制度改革推進本部事務局に参事官として入りました。各官公庁の人事を横断的に行なったり、官民交流を進めるにはどうすべきか、様々な課題に取り組みました。
このようなビッグプロジェクトでは、関わる全員が「使命感」を共有しなければならないし、細かな調整力も必要となる。それを知ることができたのは貴重な経験でしたし、当時の人脈はいまでも大きな財産です。
──その後、2009年にアサヒビールからアサヒ飲料に転じている。大手4社のビール業界と違い、飲料業界は競合相手も多い。
米女:上位5社(日本コカ・コーラ、サントリー食品インターナショナル、アサヒ飲料、キリンビバレッジ、伊藤園)にシェアが集中しているとはいえ、プレーヤーが多く、競争が厳しいのは確かです。
その中で、「ウィルキンソン」は無糖炭酸水市場でシェア48%のナンバーワン商品となりました。
ハイボールなど酒類の割り材という印象が強かったが、そのまま飲むという提案がきっかけで大きく伸びました。
──同業他社からも炭酸水が出ている中でヒットしている理由は?
米女:100年以上続くブランドであることに加え、最大の特徴である「強炭酸」の刺激と爽快感が支持をいただいていると考えています。炭酸が長持ちする工夫を施し、キャップを開けた時の「プシュッ」という音にもこだわっている。爽快感が伝わる広告宣伝も含め、総合力を評価していただいているのではないか。