国際情報

韓国軍のベトナム戦争虐殺を調査した記者に「激烈な脅迫」

ベトナムでの韓国軍の蛮行は、韓国のタブーとなっている(EPA=時事)

 日本の戦争責任を追及し続ける韓国にとっての棘と言えるのが、ベトナム戦争における韓国軍の戦争犯罪だ。この問題を初めて世に問うた韓国人記者に、新著『韓国人、韓国を叱る』で話題のジャーナリスト・赤石晋一郎氏が聞いた。

 * * *
「はたして日本人だけが悪いと言えるのでしょうか。韓国人も過去、ベトナム戦争で凄惨な行為をしていました。しかしその事実を、韓国社会はいまだに受け入れようとしないのです」

 ベトナム戦争における韓国軍の虐殺問題を現地調査した韓国人ジャーナリストのク・スジョン氏はこう述べた。1999年5月、週刊誌『ハンギョレ21』において、彼女は調査結果を発表した。ベトナム戦争における韓国軍の犯罪を白日の下に晒したのだ。虐殺はわかっているだけで80余件、被害者は9000人以上に上る。

 彼女の告発記事をきっかけにして、翌2000年4月の『ハンギョレ21』に、虐殺を行ったという元韓国軍人の証言が掲載された。さらに同時期、米誌『ニューズウィーク』がベトナム戦争での韓国軍の虐殺問題を取り上げ、ク・スジョン氏の調査も同誌に紹介された。

 反応は激烈だった。2000年6月、同誌を発行するハンギョレ新聞社に韓国退役軍人ら2400人が集結。記事に対する抗議集会を開いたのだ。迷彩服に身を包んだ元軍人らが鉄パイプを振り回して社屋に乱入。パソコンや輪転機を次々に破壊し、書類や車に火を放ち、新聞社を機能停止に追い込んだ。威嚇行為は、ク・スジョン氏の周辺にも及んだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
「鳥型サブレー大図鑑」というWebサイトで発信を続ける高橋和也さん
【集めた数は3468種類】全国から「鳥型のサブレー」だけを集める男性が明かした収集のきっかけとなった“一枚”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン