国内

外出規制2022年までの予測…集団免疫は成立しないとの見込みも

4月17日、安倍首相は緊急事態宣言を出したが…(共同通信社)

「ゴールデンウイークが終わる5月6日までといたします。あと20日間、日本全体が一丸となってこのウイルスとの闘いを、闘い抜いていく」

 4月17日、安倍晋三首相は「緊急事態宣言」についてこう語った。だが、そんな威勢のいい言葉とは裏腹に、官邸内では自粛延期のプランが着々と練られている。

「官邸では当初、“その頃には気温も上がってウイルスの活動も沈静化するのでは”と根拠の薄い楽観論が漂っていました。とりあえずの『20日間』だったわけです。

 ところが、米ニューヨーク州がロックダウン(都市封鎖)を5月15日まで延長。イギリスも“まだ感染率が下がっていない。少なくとも5月7日まで”として、さらなる延長の構えを見せています。

 さすがに日本も感染者が増え続けているいまの状況では自粛解除ができるはずがないと官邸は慌てて延長の検討を始めた。取り急ぎ、5月6日から2週間延長する方向で調整中です。今後も“場当たり的”に、2週間刻みで外出自粛が延びていきそうです」(全国紙政治部記者)

 東京都が最初に外出自粛を呼びかけたのが3月下旬。GWには1か月以上が経ち、国民の「自粛疲れ」もたまってきている。アメリカのトランプ大統領は4月16日、外出禁止や休校などの制限の緩和や解除を進める「コロナ出口戦略」を公表したが、日本のリーダーはまだまったくの暗中模索だ。

 そんななかで全世界に衝撃を与えたのが、米ハーバード大学公衆衛生大学院の研究チームによる「外出規制、2022年まで必要」という予測だ。新型コロナの世界的流行を抑制するには、外出規制などの活動制限を2022年まで断続的に続ける必要があるという見解を米科学誌『サイエンス』に発表した。

「活動制限には一定の効果があるものの、それを解除すると、すぐに第2波の流行に襲われることがわかりました。一方で、長期にわたって活動制限を続けると経済や社会が崩壊する恐れがあるうえ、人口に占める感染者の割合が増えず、いつまで経っても『集団免疫』が成立しないと指摘しています」(医療ジャーナリスト)

◆五輪はできる?

 新型コロナの流行を終息させる大きなポイントとなるのが、この「集団免疫」という考え方である。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんが解説する。

「ウイルスに感染すると、体内の免疫システムが働いて『抗体』ができます。するとその後、再び同じウイルスには感染しにくくなる。こうした抗体を持つ人が人口の一定程度を占めるようになると、ウイルスが人から人へ移動できなくなり、やがて流行が終息します。これを『集団免疫』と呼びます」

関連キーワード

関連記事

トピックス

紀子さま(時事通信フォト)
上皇ご夫妻とあわやニアミス! 紀子さま「隠密行動」の京都路でなぜか「見られなかったもの」
NEWSポストセブン
一門はどうなるのか(左から香川、團子、猿翁、猿之助、段四郎。2011年撮影/共同通信社)
市川猿之助、両親が飲んだ向精神薬に関する謎 葬儀は従兄弟・香川照之が仕切り役を担う可能性も
週刊ポスト
市議会で議長をつとめていた父・正道氏と青木容疑者
《長野立てこもり》父が語った「ウチの農園主になってくれた」長男である容疑者の名前を冠した『マサノリ園』親子の関係性
NEWSポストセブン
3年ぶりの民放連続ドラマ出演が決まった俳優・織田裕二(時事通信フォト)
織田裕二「え、主演じゃない?」「トレンディ俳優の終焉?」30年ぶりに脇役を快諾した深い背景
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員(時事通信フォト)
山口組機関紙にみる恒例行事「餅つき」「誕生会」 写真なしで具体的な報告がなくなった理由
NEWSポストセブン
佐々木朗希
佐々木朗希「登板回避」決めた恩師 母校に戻り指導の日々「可能性を持つ選手は他にもたくさんいる」
NEWSポストセブン
長野射撃場(SNSより)と高校時代の青木容疑者
《長野立てこもり4人死亡》「ガンマニアだったのかな」地元猟友会の元会長が目撃していた射撃場での青木政憲容疑者の姿 「眠り銃」の管理も課題に
NEWSポストセブン
帰宅ラッシュの駅に悲鳴が(六代目山口組の司忍組長/時事通信フォト)
【喫茶店で発砲、血の海に】町田・六代目山口組系組員射殺事件、事件直後の凄惨映像が出回る
NEWSポストセブン
花田虎上の元妻・花田美恵子さん(本人のインスタグラムより)
【激変の今】若乃花の元妻「元花田美恵子さん」激ヤセ、身長も縮み「顔が違う」インスタに驚きの声
NEWSポストセブン
両国国技館
逸ノ城グッズの特設コーナーが国技館の売店に! 5月場所が盛り上がるも在庫一掃セールが不調の理由
NEWSポストセブン
澤瀉屋の152年の歴史
市川猿之助が率いる「澤瀉屋」初代の破門スキャンダル以来、絶えぬトラブル 修羅道をひた走る152年の歴史
女性セブン
卒業アルバムにうつった青木容疑者
《長野立てこもり男》青木政憲容疑者(31)は「会話のキャッチボールが成り立たない人」近隣住民が抱いた「結婚式欠席」の違和感
NEWSポストセブン