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2020.04.25 16:00  週刊ポスト

一之輔と天どん 季節の風物盛り込んだ江戸が舞台の新作落語

『手習い権助』は2月の噺。2月最初の午の日(初午)は子供が手習いに通い始めるのに良い吉日とされていたという。飯炊きの権助がお店の坊ちゃんと一緒に自分も手習いに行きたいと言い出し、先生相手にトンチンカンな言動を繰り広げる。権助のキャラが楽しい一席。

『鮎かつぎ』は5月の噺。初夏の多摩川で獲れる初物の鮎を天秤棒で担いで内藤新宿まで走って運ぶ「鮎かつぎ」の男が、鮎を狙って次から次へと現われる狐どもとの攻防の果てに江戸にたどり着くが……。

『消えずの行灯』は7月の噺。夜道を歩く若い男女が無人の蕎麦屋の屋台を発見、当時噂されていた「本所七不思議」の一つ「消えずの行灯」に違いないと思い込んで暴走する。後半の「バカヤロー! コノヤロー!」連発がバカバカしくも天どんらしい。結末もシャレている。夏の寄席での天どんの持ちネタとして定着した演目だ。

 一之輔と天どんが二人がかりで作った「新作江戸噺十二ヶ月」、残りの商品化はあるのだろうか。

●ひろせ・かずお/1960年生まれ。東京大学工学部卒。音楽誌『BURRN!』編集長。1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。『現代落語の基礎知識』『噺家のはなし』『噺は生きている』など著書多数。

※週刊ポスト2020年5月1日号

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