さらに言えば、短期集中型の収録スケジュールは、「制作費を抑えやすく、スタッフとキャストのスケジュールが押さえやすい」というテレビ東京らしい制作術とも言えます。現在、新型コロナウイルスの影響で放送延期に追い込まれる新作ドラマが多い中、この3作が無事に放送を続けられているのも、他局とは異なる制作スケジュールで撮影されているからでしょう。

『浦安鉄筋家族』のホームページには「テレ東がまたやらかします!!」というキャッチフレーズが書かれていました。これまでもテレビ東京は、『アオイホノオ』『山田孝之の東京都北区赤羽』『こえ恋』『スモーキング』『宮本から君へ』『日本ボロ宿紀行』『死役所』など、「実写化は難しいだろう」と言われた作品を次々に実現させてきた歴史があります。「これらの実績があるから、今春の3作も挑戦できた」と言えるかもしれません。

 重苦しいムードに覆われている今だからこそ、『浦安鉄筋家族』で笑い、『きょうの猫村さん』でほっこりし、『レンタルなんもしない人』で癒される。そんな過ごし方をしてみてはいかがでしょうか。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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