芸能

『きょうの猫村さん』、出オチドラマになるとの説を覆せたワケ

評判も上々な『きょうの猫村さん』(公式HPより)

 放送開始が延長された春ドラマが多いなか、スタートした作品で異彩を放っているのが『きょうの猫村さん』(テレビ東京系)だ。松重豊が猫の猫村さんを演じるこのゆる~いドラマの魅力についてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 そんなわけで、世紀の出オチドラマになるのではと、みんながハラハラと見守った(と私は思っていた)テレビ東京の深夜ドラマ『きょうの猫村さん』。なにしろ、白猫の家政婦を松重豊が演じるのである。白いしっぽをプラプラさせて出てきただけで、「あーそうなのね」と視聴者に確認されて終了…と思いきや、これがとっても心地いい。どんどん続きが観たいドラマなのだった。

 お話は、猫の猫村さんが、飼い主ぼっちゃん(濱田岳)との再会のため、お金をためようと村田家政婦紹介所に現れるところから始まった。家事の腕前は確かな猫村さん。まじめな顔で家事をこなす松重もいいが、気持ちを落ち着けるために段ボールを持ち出してツメをごりごりやったり、うれしいときは寝転がって背中をごろごろしたりする猫そのものの動きをする松重もまたよし。

 妙に可愛い子ぶらず、淡々と猫になっているところがいい。最初の奉公先である犬神家で、美顔ローラーばっかりやってる奥様(小雪)や昔のスケバンみたいな娘たちと猫村さんがうまくやっていけるのか。これからの見どころだ。

 このドラマの心地よさの秘密は、2分30秒のミニドラマというところ。ほわっとして本日は終了。そんな短い時間の中で、いつもピンとした猫村さんの耳が、奥様に厳しいことを言われると、しゅんと垂れるんだな~と芸の細かいところに気づく楽しみもあったりして。加えて作詞・ユザーン、作曲・坂本龍一、松重本人の歌唱による鼻歌のような主題歌。聴くだけで安眠できそうだ。

 それにしても、長く「猫ブーム」と言われる日本では、この松重猫村さんはじめ、「猫とおじさん」がよく出てくる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
“1日で100人と関係を持つ”動画で物議を醸したイギリス出身の女性インフルエンサー、リリー・フィリップス(インスタグラムより)
《“1日で100人と関係を持つ”で物議》イギリス・金髪ロングの美人インフルエンサー(24)を襲った危険なトラブル 父親は「育て方を間違えたんじゃ…」と後悔
NEWSポストセブン
「父と母はとても仲が良かったんです」と話す祐子さん。写真は元気な頃の両親
《母親がマルチ商法に3000万》娘が借金525万円を立て替えても解けなかった“洗脳”の恐ろしさ、母は「アンタはバカだ、早死にするよ」と言い放った
NEWSポストセブン
来日中国人のなかには「違法買春」に興じる動きも(イメージ)
《中国人観光客による“違法買春”の実態》民泊で派遣型サービスを受ける事例多数 中国人専用店在籍女性は「チップの気前が良い。これからも続けたい」
週刊ポスト
競泳コメンテーターとして活躍する岩崎恭子
《五輪の競泳中継から消えた元金メダリスト》岩崎恭子“金髪カツラ”不倫報道でNHKでの仕事が激減も見えてきた「復活の兆し」
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」
米・フロリダ州で元看護師の女による血の繋がっていない息子に対する性的虐待事件が起きた(Facebookより)
「15歳の連れ子」を誘惑して性交した米国の元看護師の女の犯行 「ホラー映画を見ながら大麻成分を吸引して…」夫が帰宅時に見た最悪の光景とは《フルメイク&黒タートルで出廷》
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
《マトリが捜査》米倉涼子に“違法薬物ガサ入れ”報道 かつて体調不良時にはSNSに「ごめんなさい、ごめんなさい、本当にごめんなさい」…米倉の身に起きていた“異変”
NEWSポストセブン
"殺人グマ”による惨劇が起こってしまった(時事通信フォト)
「頭皮が食われ、頭蓋骨が露出した状態」「遺体のそばで『ウウー』と唸り声」殺人グマが起こした”バラバラ遺体“の惨劇、行政は「”特異な個体”の可能性も視野」《岩手県北上市》
NEWSポストセブン
第79回国民スポーツ大会の閉会式に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
「なんでこれにしたの?」秋篠宮家・佳子さまの“クッキリ服”にネット上で“心配する声”が強まる【国スポで滋賀県ご訪問】
NEWSポストセブン