立春、春分など、季節の変わり目を表す言葉「二十四節気」。なかでも、5月下旬から6月上旬までの「小満(しょうまん)」は、あらゆるものに生命力が満ちる季節とされる。特に小満の始まりは「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」と呼ばれ、蚕が桑の葉を盛んに食べて成長する時期だという。
養蚕に取り組むことは、代々の皇后にとって重要な務めだとされてきた。日本古来の産業である養蚕に、国民の先頭に立って取り組むことで、国全体の活力をあげる目的があるそうだ。雅子さまはこのほど、皇后になられて初めての「御養蚕始の儀」へ出席を決められたという。
「ご養蚕は皇居・紅葉山にある御養蚕所で作業に取り組むもので、今年は5月初旬から始められるそうです。
雅子さまは昨年7月、収繭(しゅうけん)作業見学のために御養蚕所を訪問予定でしたが、直前に取りやめられたことがありました。しかし、今年は御養蚕始の儀から取り組まれるそうです。それだけご体調が整っていると同時に、新型コロナウイルスで大変な時期だけに、国民に対して皇后の務めを果たしたいという思いが強いのでしょう」(宮内庁関係者)
《私たち皆がなお一層心を一つにして力を合わせながら、この感染症を抑え込み、現在の難しい状況を乗り越えていくことを心から願っています》──4月28日、宮内庁ホームページに「新型コロナウイルスに関する天皇陛下のご発言」が掲載された。同月10日、専門家からご進講を受けられた際のおことばだ。
陛下は、2月の誕生日会見と3月の愛子さまの学習院女子高等科卒業にあたってのご感想でコロナ禍について触れられた。それに続く“第3弾”のお気持ち表明となる。
「いままでご進講の様子は公にされておらず、今回のように陛下のご発言がつまびらかにされることは異例中の異例です。新型コロナへの国民の苦しみを目の当たりにされ、ご自分の言葉で国民に訴えかけたいというお気持ちを持たれたのでしょう。
一部には陛下のビデオメッセージを望む声もあります。しかし、それにはタイミングの見極めや、政府との調整が必要です。切迫した状況のいま、できる形でとにかく早く、国民にお気持ちを伝えられる方法を選ばれたのだと思います」(皇室ジャーナリスト)